モチベーション
しばらく全然追えていなかったのですが、BlockChainの技術まわりのトレンドって今はどうなっているんだろうという疑問が最近少し湧き出してきていて、ちょっと前よりも若干トーンダウンしている印象はあるのだけれど、今自分の身近にある界隈においてお金のやり取りにおけるトラブルの話が絶えることはなくて、何だかんだ言ってスマートコントラクトみたいなものの需要がなくなることはないよねという結論に行き着いて、その辺の動向は引き続き追っていきたいと思っているのが今の心境です。一時期BlockChainの実装に興味があって色んなイベントに参加していたのだけれど、割とLayerXとかが精力的にイベントを主催していた記憶があって彼らは今何をしているんだろうと興味が湧いたので代表の福島さんのブログを読んでみました。
https://comemo.nikkei.com/n/n9099fdda3c19
2022年夏の記事なので少し内容は古いのだけれど、この辺の傾向は多分変わっていないはず、というのと、自分の仕事領域でもちょっとした仕事の決済をするために会社のカードを使うんだけどカード番号と暗証番号は経理の人しか知らなくて云々といった煩雑なやり取りはめちゃくちゃ多いので実体験からこのSaaS+Fintechみたいなビジネスはまあ鉄板なのかなという印象です。2024年になった今どうなのかということを考えるとそこにAIという要素を乗っけてしまえば現在のトレンドとさほど変わらなさそうというのも。DXというのを主題にブログを書いているので、DXに割とガチめに取り組んでいる業界の研究をしてみたいと思いこの記事を書こうと思い立った次第です。
SaaS+Fintechに取り組む会社の特徴
使いやすいユーザーインターフェース・機能とセキュリティ、安定したサービスの稼働、データの分析基盤・活用、手厚いカスタマーサービスなど守備範囲が多岐に渡るので、まずソフトウェア開発の技術に自信のあること、次に豊富な資金力、そして様々なステークホルダーへの対応が可能なしっかりとした会社組織を作れることなど様々なことが必要になる業態なのかと思います。基本的に、そういう組織を作れるのは一度EXITを経験しているような経営チームだったりすることが多く、それは彼らがたくさんの資金を調達することに長けている可能性が高いということを意味します。たくさんの資金を調達できるということは組織や業績を急拡大する可能性がわりとあって、たくさんの人が集まったり急成長の過程にある会社で働くということは、高いモチベーションで働けたり自分のスキルの成長につながる良い環境ではないでしょうか。
転職を考えるソフトウェアエンジニアにとってのSaaS+Fintechベンチャーの位置付け
ある国内大手IT企業に勤めているエンジニアの方と年末に会った時に話をしたのですが、キャリア的に次にステップはGAFAみたいなグローバルに展開している会社なんじゃないの?という質問をしてみたところ、意外な答えが返ってきました。それは、自分でもそう思うしスキル的にも入社できる自信もそこの一線で働いてバリューを出していく自信もある、だけどどこのブランチで働くことになるかわからないし自分がやりたいのはバリバリの開発の部署だけど、そことは違う部署の配属になることも多くその場合開発の仕事の比率が落ちてしまう可能性があるから、一概にGAFAに行きたいかというとそうでもない、という答えでした。僕の知り合いにオープンソース界隈で有名だった開発者の人がグローバルに展開しているWebサービスの会社に就職したけど開発ではなくディベロッパーアドヴォケイトの仕事に周ってしまい、開発というよりコミュニケーション中心の仕事に嫌気が指して結局会社を辞めてしまったことを思い出し、確かにそういうこともあるかもなと納得してしまいました。もしかしたら、ある程度の経験を積んだけどまだまだ開発の最前線で活躍したいソフトウェアエンジニアにとってSaaS+Fintechベンチャーで働くことは検討すべき選択肢なのかもしれませんね。普通のスタートアップだと求められることがフルスタックすぎて、自分の得意分野を最大限に活かすことは難しいかもしれませんが、成長過程のどんどん大きくなっていく組織の中で自らのスキルを活かして組織を牽引していくことはキャリアにいい影響を与えるかもしれませんし、そこで開発の仕事をやり切ってから独立するなり管理職としてGAFAみたいな巨大グローバル企業への転身を考えるのもいいですね。
求人情報に目を通してみた考察
いくつか目を通してみました。日本ではLayerXとMoneyFoward、比較対象として海外のBill.comとRamp、この4社の求人情報をざっと読んでみました。結論から言うとどの会社も求めている人材について、フロントエンドからバックエンド、セキュリティエンジニアまで幅広く募集していて日米にさしたる違いはありません。強いて言うなれば、MLエンジニアを募集しているかいないかぐらいの違いですかね。個々の募集の詳細を見ても違いと言えば、日米のフォーマットの違いですか、LayerXはアメリカ仕様に寄せている感覚はありました。これは勘違いかもしれませんが、MLエンジニアの募集がアメリカ勢にないのを見て、それはちょっとした違いですが日本とアメリカのエンジニアのリクルーティングのやり方の違いなどがあったりするのかなあ、なんて素朴な疑問が湧きました。RampのエンジニアブログにはがっつりMLについて触れられている記事を見かけるのですが、なぜ募集の項目にはないんだろうと、ただMLエンジニアなんて募集したからといっていい人材が採用できるわけではない、というのが現実なんじゃないかなとも思います。
一応、募集する職種一覧のページリンクを貼っておきます。
LayerX
https://open.talentio.com/r/1/c/layerx/homes/3589
MoneyForward
bill.com
https://www.bill.com/about-us/jobs
Ramp
SaaS+Fintechの会社の人とランチした時の話
実は僕、LayerXのゴリゴリのエンジニアの方とランチしたことがあって、この記事を書きながらそれを思い出しています。当時僕はBlockChainの実装に興味があったのとRustユーザーだったことがモチベーションとなり、Parity Technologiesがオープンソースで展開しているBlockChainのフレームワーク、Substrateの実装について色々調べていました。割と細かいところが気になる性質なのでめちゃくちゃマニアックなところの実装についてブログに書いたら、そんなことを調べている人がよほど珍しかったのか、開発者の人から連絡が来てランチをすることになりました。リクルーティング活動の一環だったと思うのですが、わざわざTwitterのDMで向こうから連絡をくれたりしたので、開発してる人が自分でリクルーティングもしなきゃいけないのか大変だなと思った記憶があります。
フリーランスのテクニカルリクルーターについて
そこでアメリカにおけるソフトウェアエンジニアのリクルーティングについて、どのようになされているかを調べていたところ、昨今Technical Recruiterなるお仕事があるらしいです。技術的なことに精通して、ターゲットへのアプローチから応募者のスクリーニング、面接、新人研修、求職者のコーチングなど幅広く採用活動に携わる職種で、日本ではあまり馴染みがなさそうですね。アメリカではフリーランスのテクニカルリクルーターが多いらしく、様々な企業の採用活動のお手伝いをしているそうです。確かにソフトウェアエンジニアの転職市場は完全に売り手市場で企業側からのアプローチが必要なのだけれども、企業の採用担当者が応募してきてもいないエンジニアに接触するのはあまりにビジネス色が強くて警戒されてしまうし、かといって開発に携わっているエンジニアの工数をあまり採用活動に割くのもなあ、と言うことでそういうニュートラルな立ち位置で採用活動をお手伝いする人がいると確かに便利だよね、とは思いました。日々新しい職業が生まれていく中で、テクニカルリクルーターという仕事が日本にも根付くのか注目したいところですね!